自転車のルールやマナー*自転車安全利用五則とは?ルールを守って安全に乗ろう

自転車はルールを守って安全に

「皆さん、自転車はルールを守って安全に乗りましょう」

小さいころから自転車教室などで安全のためのルールを啓蒙され続けた日本人ですが、大人になるころにはすっかり頭の片隅にという方も多い、今日この頃。

残念ながら私もこの業界で仕事をし始めてから改めてルールを学ぶまですっかり忘れていました。

直近では2017年の自転車に関する道路交通法改正があるように、自転車のルールというのは年々改正されてきています。

つまり子供のころに教わったルールが今では変わっているなんてことも。

今回は最新の自転車のルールについて解説していきますので、ぜひ皆さんもアップグレードして安全に自転車に乗りましょう。

(今回の記事の内容出典元:政府広報オンライン

その①「自転車は車道が原則、歩道は例外」

自転車は車道が原則

道路交通法上、自転車は「車両」と位置付けられていますので、歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則です。

よく聞くこの「車両」という言葉ですが、自転車は原動機(エンジン)が付いてないため、「歩行者寄り」と勘違いしがちですが、法律上は自動車などと同じ「車両」という区分に分けられます。つまり、原則、自転車は歩行者(歩道)ではなく自動車などと同じ道路を走行しなければなりません。

【罰則】違反した場合、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金

自転車が歩道を通行できるのは?

ただし、例外として、次のような場合は、自転車が歩道を通行できることになっています。

(1)道路標識や道路標示で指定された場合
(2)運転者が13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、身体の不自由な方の場合
(3)車道や交通の状況からみてもやむを得ない場合(※)

※やむを得ない場合
→道路工事、連続駐車などで車道の左側部分が通行困難な場合
→著しく自動車などの交通量が多く、かつ、車道の幅が狭いなどのため、接触事故の危険がある場合

自転車道があるときは

自転車道が設けられている道路では、道路工事などやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければなりません。

自転車道とは最近増えてきている、自転車専用道路や、歩道と並んで標識などで分けている箇所のことです。

つまり、自転車が通っていいよ~と表示されていない歩道は原則、自転車が通ってはいけません。歩道は歩行者の為の道路です。

その②「車道は左側を通行」

自転車の右側通行は禁止されています

自転車は、車道の左側に寄って通行しなければなりません。右側通行は禁止されています。 また、自転車が通行することができる路側帯は道路の左側部分に設けられたものに限られます。

右側通行は、左側通行をしている他の自転車やバイクなどと衝突したり、すれ違うときに車道中央に飛び出して自動車とぶつかったりする危険もありますので、絶対にやめてください。道路を安全に通行するために、左側通行を守りましょう。

自動車は左側を走行しますよね?つまり同じ車両である自転車も左側を走行しなければなりません。

【罰則】違反した場合、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金

その③「歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行」

歩行者に配慮したやさしい運転を

歩道は歩行者優先です。自転車が歩道を通行するときは、車道寄りの部分を徐行(すぐに止まれる速度で通行すること)しなければなりません。また、歩行者の通行を妨げるような場合は、一時停止しなければなりません。

自転車のベルを鳴らして歩行者に道を空けさせたり、スピードを落とさずに歩行者を追い越したりするのはルール違反です。自転車側が、歩行者にけがをさせてしまう危険もあります。歩行者に配慮したやさしい運転を心がけましょう。

【罰則】違反した場合、2万円以下の罰金又は科料

その④「安全ルールを守る」

夜間はライトを点灯

夜間、自転車で道路を走るときは、前照灯及び尾灯(または反射器材)をつけなければなりません。ライトをつけるのは、自分が進む道を照らして見やすくするためだけでなく、前方や後方から来るほかの自動車やバイクなどに自分の存在を目立たせるためです。ライトをつけていない自転車は、相手側から発見されにくく危険ですので、ライトを点灯させましょう。

学生のころ、無灯火走行で警察に止められたことはありませんか?現在ではしっかりと罰則も作らていますので、注意だけでは済みません。しかも前後に必要ですので、夜間走行の際は必ずライトを点灯しましょう。

【罰則】違反した場合、5万円以下の罰金

飲酒運転は禁止

自転車も飲酒運転は禁止されています。酒気を帯びて自転車を運転してはいけません。また、酒気を帯びている者に自転車を提供したり、飲酒運転を行うおそれがある者に酒類を提供したりしてはいけません。

一時期、自動車の飲酒運転罰則強化についてテレビで多く取り上げられていましたが、自転車も同様です。他の罰則と比較して重たい刑になっていることからわかるように、飲酒運転は危険しかありません。

【罰則】違反した場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金(酒酔い運転を行った場合等)等

二人乗りは禁止

自転車は基本的に一人用の乗り物です。自転車の二人乗りは、6歳未満の子どもを幼児用座席に乗せるなどの場合を除いて、原則として禁止されています。

こちらもよく学生時代に警察に止められる理由の一つですね。

【罰則】違反した場合、5万円以下の罰金等

並進は禁止

「並進可」の標識があるところ以外では、並んで走ってはいけません。道路を自転車が並んで走ると、どちらかの自転車が車道の中央寄りを走ることになり、危険です。また、道路に広がるため、他の通行の妨げにもなります。

【罰則】違反した場合、2万円以下の罰金または科料

信号を守る

信号は必ず守りましょう。「歩行者・自転車専用」信号機がある場合は、その信号に従い、安全を確認して横断しましょう。

これは歩行者にとっても当たり前のルールですが、意外と守られていないことが多いルールの一つです。

子供は見ています!大人がしっかり子供の手本になるように信号は守りましょう。

【罰則】違反した場合、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金等

交差点での一時停止と安全確認

「止まれ」の標識がある場所では、必ず一時停止しましょう。「止まれ」の標識がなくても、見通しの悪い交差点では、必ず徐行し、左右をよく見て、安全に通行しましょう。また、見通しのよい交差点でも、安全のため速度を落としましょう。

自動車の免許を持っていない方にとって、一時停止(止まれ)の看板というのは馴染みのないものですが、一時停止の看板がある場所というのは見通しの悪い交差点が主です。つまり事故の危険がある場所ということ。

個人的にもこの一時停止を守っていないサイクリストを多く見かけますが、本当に危ない!(私は自動車も運転するので、自動車側の感情が入ります…)

罰則があるから守るわけではありませんが、個人的には飲酒運転同様、重たい罰則にしてしっかりと周知させた方がいいと考えます。

【罰則】違反した場合、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金等

その⑤「子どもはヘルメットを着用」

自転車同乗中幼児の約4割が頭部損傷

6歳未満の幼児を同乗中に事故に遭った場合、幼児が頭部を損傷する危険性があります。乗車用ヘルメットは事故の衝撃を吸収し、子どもの頭部を守るものです。

保護者は、13歳未満の子どもが自転車を運転するときや、幼児を幼児用座席に乗せて運転するときは、確実に乗車用ヘルメットを子どもに着用させましょう。

道路交通法では「着用努力義務」とされているため罰則はありませんが、ヘルメット着用については自治体ごとに法令を定めている場合があります。ぜひ一度、お住まいの自治体のホームページなどを確認してみてください。

ヘルメットは正しく着用を

ヘルメットを選ぶ際は、実際に子どもにかぶらせて、子どもの頭のサイズに合ったものを選んでください。

頭部を守るためには、ヘルメットを正しく着用することが重要です。眉毛のすぐ上まで深くかぶらせ、あごひもをしっかり締めましょう。子どもの安全を守るのは、保護者の責任です。

こんな運転もやめましょう

安全利用五則には含まれませんが、以下の違反運転も道路交通法第71条によって罰則が定められています。

スマートフォン・携帯電話を使いながらの運転

スマートフォン・携帯電話を操作しながらの運転は、片手運転でふらつきやすいうえ、周囲を見ていないため、事故に遭ったり、歩行者にぶつかってけがをさせたりするおそれがあります。

令和元年12月1日から、「自動車」運転中の「ながらスマホ」に対する罰則が厳しくなりました。恐らく今後、自転車に対しての罰則も厳しくなると思われますので、今のうちにしっかり頭に刷り込みましょう。

傘さし運転

傘差し運転はバランスを崩しやすくする原因となるほか、傘によって前方の視界が遮られ、前方不確認となるおそれがあります。

道路交通法では「傘さし運転」が違反の対象となっていますが、都道府県公安委員会が定める規制では「傘を固定すること」も違反の対象となっている都道府県もありますので、自転車に傘を固定することも禁止されています。

イヤホンやヘッドホンで音楽などを聴きながらの運転

イヤホンで音楽を聴きながらの運転は、音楽に気をとられて注意散漫になったり、後ろから近づいてくる自動車の音が聞こえなかったりして、事故に遭う危険性が高まります。

ハイブリット自動車はとても静かです。静かだからこそ「音がしないから自動車の存在に気が付かない」ことが理由に事故の原因となったことがありました。日本では、新型車は2018年3月8日から、継続生産車の場合は2020年10月8日から、「ハイブリッド自動車等の車両接近通報装置」が義務付けられることになりました。また事故等を懸念して、すでに疑似エンジン音を発生させる装置なども市販されています。

それくらい「音」というのは安全に必要なものであるといえます。そんな音を遮断してしまうイヤホンやヘッドホンは大変危険といえます。

危険な違反行為を繰り返したときは

平成27年6月1日から、交通の危険を生じさせるおそれのある一定の違反行為(危険行為)を繰り返す自転車運転者に対して、「自転車運転者講習」の受講が義務づけられました。

危険行為とは、信号無視や一時不停止、酒酔い運転、ブレーキが利かない自転車の運転など、下記の14項目です。

これらの違反行為を3年以内に2回以上検挙された場合には、都道府県公安委員会により、自転車運転者講習の受講が命じられます。命令を無視し、自転車運転者講習を受けなかった場合は、5万円以下の罰金が科されます。

◆危険行為とは
信号無視
通行禁止違反
歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)
通行区分違反
路側帯通行時の歩行者の通行妨害
遮断踏切立入り
交差点安全進行義務違反等
交差点優先車妨害等
環状交差点安全進行義務違反等
指定場所一時不停止等
歩道通行時の通行方法違反
制動装置(ブレーキ)不良自転車運転
酒酔い運転
安全運転義務違反

まとめ

いかがでしたでしょうか?

自転車にもルールがあり、またそのルールが制定されたことには理由があります。それを理解し、安全に自転車に乗りましょう。

「自転車保険」について過去に記事を書いたことがありますが、「自転車保険」が必要になるほど、自転車による事故が増えているという裏返しでもあります。

特に子供はルールを理解しないまま乗っていることが多いですので、周りの大人がしっかりと教えてあげることが大切です。

ぜひこの機会に自転車のルールをしっかり学びなおしましょう!

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